シリーズ第三弾!まだまだ存在する世界のヤバい呪物についてご紹介していきます!今回はたった一つの呪物についての特集です…ホラー映画『The Possession』の元ネタにもなっている呪物“ディブクの箱”についてお伝えします。
ディブクの箱
2001年9月。ケヴァン・マニス氏はポートランドのエステートセール(遺品整理のバザー)で古びたワインキャビネットを見つけます。元の所有者は100歳を超える老婆で、ナチス・ドイツが行ったホロコーストの生き残りでした。
マニス氏はキャビネットを気に入り、セールの主催者で孫娘の女性に購入を申し出ますが、その折にこんな話を聞かされます。
「祖母に“このキャビネットにはディブクと呼ばれる悪霊が住み着いていて、決して開けてはいけない”と言われており、私も中身を見たことがない」
しかし超常現象を信じていなかったマニス氏は気にせずこれを購入。その日を境に様々な怪奇に襲われることになります。
実際に起こった怪奇現象
- キャビネットを運び込んだ倉庫の天井で、白熱電球9つが突然割れる
- 出入り口の扉に外側から鍵が掛かって開かなくなる
- ディブクの箱から人間のような、ただならぬ気配が漂ってくる
- 鼻をつく悪臭が倉庫内に充満する
- 倉庫内での異音・異臭が相次ぐ
困り果てたマニス氏でしたが、実はこのキャビネットは元々母親へのプレゼントとして購入していたようで、後日箱は予定通りに母親へ引き渡されます。(!?)
しかし箱を受け取った母親はその日に脳卒中で倒れて入院…。再びマニス氏のもとに舞い戻った箱ですが、その日から彼は悪夢にうなされたり、日中に首を絞められるような感覚に襲われます。
ここまできてマニス氏もようやく箱が本物であると確信しました。
困り果てた末に…
最後の手段としてありのままの経緯を記載した上でインターネットオークションに出品します。すると医療博物館の館長を務めるジェイソン・ハックソン氏が箱に注目し、展示品の一つとして購入!
その日から咳や皮膚病に見舞われたため、友人の霊媒師に除霊を依頼します。そしてなんとか再びワインキャビネットの中に悪霊「ディブク」を封じ込めることに成功!
扉が閉じられたままとなった封印の箱は、今も博物館に展示されています…。
箱の中に入っていた物
ディブクの箱の中には
- 1920年代発行の1セント硬貨
- 紐で結われた金髪と茶髪と黒髪
- 金色のゴブレット
- ヘブライ語が刻まれた石板
- 乾燥した薔薇のつぼみ
- 小さな漆黒のツボ
が規則正しく並べられていました。
もともとこの箱はホロコーストの生存者が犠牲者を降霊術で呼び出す際に使われる祭壇で、偶然一緒に呼び出されてしまった“悪魔”を封じ込めたものだと言われています。
歴史の裏で生まれた悲しい呪物なんですね…。
悪霊ディブクとは?
ディブクは宗教的戒律に背く罪業(自殺など)のために輪廻転生できず、現世をさまよい、人に取り憑く悪霊です。
憑かれた人間は精神的に苦しみ、異常な行動を取るようになります。ときには取り憑いた人間を通じて話すこともあるそうです。
********
本当に映画のような話ですよね…。でもこのエステートセールがなければ、ディブクの箱は表に出ることなく処分されていたかもしれません。
こうしている今も、まだ見ぬ呪物が世界のどこかに眠っていることでしょう…。調べても調べても出てくる呪物…人の情念って恐ろしいですね。
以上、今回は“ディブクの箱”特集でした!
コメント